轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
がまのち
日本怪談大全 第一巻 女怪の館
田中 貢太郎
田中貢太郎『日本怪談大全 第一巻 女怪の館』。同一底本的分册已合并为一书。收入:蟇の血、赤い土の壺、赤い花、馬の顔、切支丹転び、藤の瓔珞、草藪の中、仙術修業、頼朝の最後、雪の夜の怪、港の妖婦、神仙河野久、文妖伝、女賊記、春心、岐阜提灯、女の首、女の怪異、妖影、牡蠣船、雑木林の中。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 192,678 字 · 394 页
お杉は手にしていた盃を投げつけた。盃は長吉の額に当って食卓の上にある漬物の皿の中へ落ちた。音蔵は手を出してその盃を遮ろうとしたがおそかった。
「叔母さん、そ、それは」
お杉は憎にくしそうに音蔵を見た。
「何云ってやがるのだ、このばった」
音蔵の顔は真蒼になった。
「お、叔母さん、叔母さん、それは」
「やかましい、黙ってろ、不具者のくせに、引込んでろ」
長吉は体を顫わした。
「何と云うあくたれだ、てめえは、気がちがったか、なんと云うことだ」
お杉はやけくそであった。
「やかましい、どう盲人と、足のちぎれたばった野郎、よくもよくも、一処へ集まったものだ」銚子で食卓の上を叩いて、「こんな不具者ばかりの処で、酒なんか飲めるものでない」とついと起って、「どこかへ往って、飲みなおす」
お杉はどんどん歩いて往ったが、やがて障子を啓けて外へ出て往く気配がした。音蔵は歯をくいしばって考えこんでいた。
「おと」
音蔵の耳には入らなかった。
「おと」
荒い南風の吹く中を広巳は歩いていた。その広巳の瞳には、人や車が影絵のように映り、建物が歪んで映り、時とすると灰汁のような色をして飛んでいる空の雲が鳥の翅のように映り、風のために裏葉をかえしている嫩葉が銀細工の木の葉となって映った。