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にっき
日記
宮本 百合子
22 一九三八年(昭和十三年)
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 6,910 字 · 14 页
一月十一日
「スタンドバーをおやりになるそうじゃないですか、お妹さんと」
「冗談でしょう! やれることとやれないこととありますよ」
「宮本さんの御実家は大変お金持だそうじゃないですか」
「昔からの伝説でね」
――○――
ふらりふらり市場の方から歩いて来たら、むこうから二人づれの女来る。どこの女かと気にもとめず大分近くなって見たら一方は咲、おや誰かしらと見たら、それが寿。バケタりな、ばけたりな。これだから女はいやなり。美味いチョコレートをくれた。咲先へかえる。
〔欄外に〕
生活の全面的再組織ということは実に大問題であり、大事業である。箇人箇人の持っているすべての条件が皆箇的にプラスとマイナスに作用して来ることが余り歴然として居て、実に沈思せざるを得ない。永年に亙ることなのだから、いよいよ重大でなかなか易きにつき難し。本能がアラームを発する。哲人的ポーズ、受難者的ポーズでは、せいぜいよくて偶像になるにすぎず。生きるということは生活するということ也。生理的生に非ず。
一月十一日(火曜)
おひさ君を洗濯にと思ってつれて行ったら、センタクはけさやっちゃった、あら惜しいと。