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げんだいゆいぶつろんこうわ

現代唯物論講話

戸坂 潤

「現代唯物論講話」白揚社、1936(昭和11)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 251,295 字 · 490 页

青空文庫

独り自然科学に限らず、社会科学(歴史科学)もこれにぞくする。つまり自然科学と社会科学とに共通な統一的な根本特色がこれなのだ、ということになる(この際文化科学とか精神科学とかいうものは論外だ、なぜならあるのはそういう科学ではなくて、ある処の科学にそういう名をつけたに過ぎないものが、この種の何々科学なのだから。之は科学の分類に関した名前ではなくて、実は哲学上のイズムに関係した名前であることを忘れてはならぬ)。

処で私は、この結論をもっと一般に推し及ぼさねばならぬ。之はもはや一切の科学の根本特色には止まらず、一般に理論そのものの根本特色でなくてはならぬと云うのである。哲学的理論と雖も、夫が科学的で現実的な役割を有たねばならぬ以上、と云うのは、現実問題を実際的に解き得るためには、技術的でなくてはならぬ。そうでなければこういう哲学は自然科学の助けにもならなければ社会科学の助けにもなれぬ。――単に有能な哲学はテクニカルだと云うのではなく、その哲学の体系を展開させるカテゴリーが生産技術上通用するカテゴリーと歴然と一定の関係を自分で設定しているというのである。

こういう意味に於て技術的でない哲学が、今日の所謂形而上学であり観念論である。