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げんだいゆいぶつろんこうわ
現代唯物論講話
戸坂 潤
「現代唯物論講話」白揚社、1936(昭和11)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 251,295 字 · 490 页
で大事なことは、政治や法律が、単に意識的であるというばかりではなく、或るものが特に意識化されたものだということである。何かが意識化されるとは、即ち意識化という過程が成り立つということは、まだ意識化されないものが意識化されること、即ちその意味で、意識的でないもの――物質的なもの――が意識的なものになるということである。物質的なものが意識の世界にまで転入するということである。――で法律や政治という上部構造は、かの物質的な下部構造に対して、意識・観念・の性格を有つわけである。
だがこの意識は、単に無条件に理解された限りの意識ではなくて、社会の夫々一定の物質的下部構造によって制約された限りの、社会の夫々一定の意識でなくてはならなかった。それは夫々の意識形態――観念形態――であると云うべきである。こうした意識形態・観念形態・としての社会の上部構造を、人々は一般にイデオロギーと呼んでいる。
イデオロギーは併し、何も政治や法律に限らない、社会に存在する一切の意識・観念・の形態は凡て、イデオロギーとして理解されることによって、初めて相互の連関を統一的に理解されることが出来る。