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げんだいゆいぶつろんこうわ

現代唯物論講話

戸坂 潤

「現代唯物論講話」白揚社、1936(昭和11)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 251,295 字 · 490 页

青空文庫

精々既成の、と云うのはすでに顔振れが満員になってしまっているところの、今日のブルジョア・ジャーナリズムの固定化に、反発しているに過ぎないだろう。だがそれより大事な点は、この同人雑誌運動なるものが、実は左翼文芸機関誌からの解放を意味するものであると共に、同時に、又機関誌活動に代る或る分散した個人的グループ活動の要求を実現しているものだろう、という点なのである。

同人雑誌の活動は、云うまでもなく少しも左翼的ではなくて、正に文化的自由主義のものなのだ。単にその文芸創作上の性質から云ってそうであるだけではなくて、同人雑誌発行の実際の意図から云ってもそうなのである。つまり之は、既成のブルジョア・ジャーナリズムの圧力からとに角自由でありたいという気持ちがその動機となっているのだ。――だからしてこの同人雑誌群を今のままの原則に従って、というのはその文化的自由主義の諸性質のまま、何等かの統一に齎したにしても、それだけでは何等左翼的なものにもプロレタリア的なものにもならないことは明らかだ。之をブルジョア・ジャーナリズムに対立対抗し得るプロレタリア・ジャーナリズムの動きにまで高めるためには、矢張りその外にある或る何等かの拠り処となる地盤が要るのである。