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げんだいゆいぶつろんこうわ
現代唯物論講話
戸坂 潤
「現代唯物論講話」白揚社、1936(昭和11)年12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 251,295 字 · 490 页
=ヒューマニズム主義というのである。
こうした「ヒューマニズム」は勿論唯物論と矛盾したり之を排除したりはしない、と弁明する。だがそれが単なる弁明に終らないためには、少なくとも「ヒューマニズム」を以て唯物論の何等かの基礎だというような風に考えてはならないだろう。唯物論にとっては、ヒューマニズム=ヒューマニティー問題は一つのテーマなのだから、夫は勿論唯物論を基礎とし、唯物論が之に先立たねばならぬ。テーマがあって夫を解決する立場が要求されるから、テーマの方が先だというなら、基礎だというなら、いい。だがそれならば、ヒューマニズムが唯物論に先立ち又はその基礎や根柢をなすというのは、つまり唯物論なるものを一つのテーマとして取り扱い得る哲学上の立場がヒューマニズムというものだ、ということになるだろう。唯物論は之まで幾度も、一つのテーマとして他のものの立場から愛撫されたりはたかれたりした、経験を有っている。マルクス主義をカント主義や社会学や歴史哲学や又人間学によって、基礎づけたり批判したりするのは、皆この仕方によったのである。――特に、ヒューマニティーをテーマとするということが、ヒューマニティーを立場とするということになり、従って人間の立場から社会や自然を省察するという論理になるかも知れないが、所謂ヒューマニズムがもし