轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

かがりびのおんな

篝火の女

吉川 英治

「キング」大日本雄辯會講談社、1935(昭和10)年8月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 27,727 字 · 56 页

青空文庫

すると。

小屋の側手に積んである兵糧だの陣具だの濡らしてならない品を囲んである中に、紺糸縅しの鎧に、黒革の具足をつけた武士が、幕を引っ被いで眠っていたが、むっくりと起きあがって、

『おい十介、あわてるな』

と、声をかけた。

十介は、振り顧って、

『おう、相木殿か』

『ああ、よく眠った。……戦のまえに寝ておくのは、働く前に飯を食べておくのと同じだ、そちのように、御城下を立つ時から眼を光らしていては、戦場へ着いてから碌な働きはできんぞ』

『ですが、慌てずに居られない大事が出来いたしたので』

『今、うつうつと、眠りながら聞いていた。――東郷五郎左衛門の娘八雲が河を越えたというのだろう』

『さようで』

『はははは』

肩をゆすぶって、相木熊楠は笑った。

まだ三十歳にもならない武士であるが、戦のたびにこの男の名は北条家のうちに重きをなして光っていた。人の為し得ない軍功をきっと土産にして凱旋するのだった。つい数年前までは、槍組の軽輩であったのに、今度の戦ではもう先手組の侍頭として、五百人の兵をあずかって出陣を命じられている。

彼に、戦の極意を問う者があると、

(死ぬことだ。