轻松读懂日语经典作品
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くしんのがくゆう
苦心の学友
佐々木 邦
「少年倶楽部」1927(昭和2)年10月号~1929(昭和4)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,732 字 · 332 页
しかし照彦様は『十番ならおトンカチのとんがりで十だぞ』とおっしゃいました」
「なんのことだろう?」
「僕の頭をかなづちのとんがった方で十たたくんです。一番上がりについて一つだそうです」
「ばかばかしい」
「僕は穴があくと困るから、とんがっていない方にしてもらいたいってまた値切ったんです。すると『よろしい。そのかわり倍だぞ』って本気ですよ、照彦様は」
「ずいぶんだだをこねるんだね」
「一番になろうものなら三十五やられます。とんがっていない方にしてもらえば七十です。こぶだらけになってしまいます」
と正三君はまじめで考えこんだ。
「そんなむちゃな話があるものか。お前も及第、照彦様も及第ってことになればそれでいいのさ」
「いいえ。安斉先生も家来が上から一番、若様がビリから一番なんてことになっちゃ困るとおっしゃいました」
「それは若様がもっと上がらなければいけないという意味だろう」
「照彦様は上がる見こみがないんです」
「そこをお前が骨を折ってコーチするのさ。照彦様は試験勉強がきく方かい」
「いいえ。試験というとすぐにあわててしまって、知っていることまでまちがいます」
「始末がわるいんだね」