轻松读懂日语经典作品
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くしんのがくゆう
苦心の学友
佐々木 邦
「少年倶楽部」1927(昭和2)年10月号~1929(昭和4)年12月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 162,732 字 · 332 页
学習室は安斉先生の姿が見えなくなると同時に調子をおろした。英語をやっていたご長男の照正様は、
「先生、僕、友だちのところへ電話をかけるのを忘れていましたから、ちょっと失礼させていただきます」
と矢島先生にことわって立っていった。国語をやっていたご次男の照常様は、
「先生、もうここまでで大丈夫です」
と教科書をとじてしまった。
「それではお作文の宿題を拝見いたしましょう」
「あれは来週の月曜までですから、まだいいんです」
「そうでございますか」
と有本先生はおだやかだ。照彦様もあたりの形勢を見まわして、
「先生、この問題は内藤君がくるまで待ちましょう」
と申しいれた。
「お疲れでございましょう。これで七題、だいぶおやりになりましたな」
と黒須先生も決しておむりをしない。
照常様は照彦様の方へ遊びにきて、二言三言話す中に、机の上へなにかおいた。
「照彦」
「はあ」
「インキがこぼれているぞ」
「はあ? や大変だ!」
と照彦様が立ちあがった。
「よろしゅうございます」
と黒須先生がハンカチを犠牲にしようとした時、照常様は、
「かかったかかった」
とて手をたたいて喜んだ。それはインキ壺が倒れてインキが流れているままをガラスで拵えたいたずらおもちゃだった。