轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
おちぼひろい
落穂拾い・犬の生活
小山 清
小山清『落穂拾い・犬の生活』。同一底本的分册已合并为一书。收入:落穂拾い、犬の生活、夕張の宿、生い立ちの記、桜林、西隣塾記、聖アンデルセン、前途なお、早春、その人、遁走、朴歯の下駄、安い頭、わが師への書、メフィスト。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 239,741 字 · 486 页
嘘のような真実を私はイエに囁いた。ひとこと報いたい心だった。イエは一瞬そう云う私の面を凝っと見つめ頬をあかくしたが、すぐ笑い顔になって背を見せながら、「うそ、うそ。」と云った。
イエはわずかに三月ほどでまた自分の家へ帰った。しかしその間にイエは父から盃をもらった。ある日私が遊びから帰ってきて縁側を馳けてゆくと、茶の間の火鉢のわきにいた祖母がいきなり叱った。解らぬままに私は神妙を装った。縁側を過ぎながら、閉めきった障子の硝子越しに、茶の間の隣りの座敷内を窃み見た。盃を唇にあてているイエの姿が眼に入った。緊張しているのが感ぜられた。イエの傍にはイエの母もいた。その晩私が近所の友達の家に遊びに行っていると、イエが迎えに来た。私はイエを先きへ帰したが、ふと思い出して後を追った。家の裏口のところで追いつき、
「お父さんから、何んて名前もらったの?」
「知らない。」
「ねえ、何んて名前さあ?」
「知らない、知らない。」
イエは先きへ馳け出していった。
竹本越喜代、イエの芸名である。私の父は初め五世野沢吉兵衛の手ほどきを受け、その後、後の摂津大掾の門に入り、越喜太夫という名である。