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せいねん
青年
「昴」1910(明治43)年3月~1911(明治44)年8月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 123,670 字 · 246 页
しかしとにかく主張があった。特色があった。推し測って見るに、新聞社が路花を推戴したことがあるのではあるまいから、路花の思想が自然に全体の調子を支配する様になって、あの特色は生じたのだろう。そこで社主が代って、あの調子を社会を荼毒するものだと認めたとしよう。一般の読者を未丁年者として見る目で、そう認めたのは致し方がない。只驚くのは新聞をアカデミックにしてその弊を除こうとした事である。それでは反動に過ぎない。抑圧だと云っても好い。なぜ思想の自由を或る程度まで許して置いて、そして矯正しようとはしないのだろう。路花の立場から見れば、ここには不平がなくてはならない。この不平は赫とした赤い怒りになって現れるか、そうでないなら、緑青のような皮肉になって現れねばならない。路花はどんな物を書くだろうか。いやいや。やはりいつもの何物に出逢っても屈折しないラジウム光線のような文章で、何もかも自己とは交渉のないように書いて、「ああ、わたくしの頭にはなんにもない」なんぞと云うだろう。今の文壇は、愚痴というものの外に、力の反応を見ることの出来ない程に萎弱しているのだが、これなら何等の反感をも起さずに済む筈だ。