轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

せいねん

青年

森 鴎外

「昴」1910(明治43)年3月~1911(明治44)年8月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 123,670 字 · 246 页

青空文庫

小さい銀杏返しを結って、黒繻子の帯を締めている中婆あさんである。相手にとは云っても、客が芸者を相手にしている積りでいるだけで、芸者は些しもこの客を相手にしてはいない。客は芸者を揶揄っている積りで、徹頭徹尾芸者に揶揄われている。客を子供扱いにすると云おうか。そうでもない。無智な子供を大人が扱うには、多少いたわる情がある。この老妓は malintentionn に侮辱を客に加えて、その悪意を包み隠すだけの抑制をも自己の上に加えていないのである。客は自己の無智に乗ぜられていながら、少しもそれを曉らずに、薄い笑談の衣を掛けた、苦い皮肉を浴せられて、無邪気に笑い興じている。

純一は暫く聞いていて、非常に不快に感じた。馬鹿にせられている四十男は、気の毒がって遣る程の価値はない。それに対しては、純一は全然 indiffrent でいる。しかし老妓は憎い。

芸者は残忍な動物である。これが純一の最初に芸者というものに下した解釈であった。

突然会話の続きを断って、この Atropos は席を立った。

その時、老妓の席を立つのを待っていたかと思われるように、入り代って来て据わった島田は、例の別品である。