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たかしまいし

高島異誌

国枝 史郎

「講談雑誌」1924(大正13)年7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 13,007 字 · 26 页

青空文庫

以前奇怪な托鉢僧を人間ならずと見極めたのも、人間ならぬ不思議な脈を其奴が持っていたからでござる。果して其奴は人間では無うて恐ろしい白蛇でござったわ。――ところで総の生物には、又その各自の生物に応じた一種の呼吸法が有る物でござる。そこで今度の深山という女じゃが、誠に審い呼吸法を再々致して見せるでの。どうやらお気の毒にも本条殿は復も妖怪に憑かれたらしい」

で、千斎は其時以来ピタリと足踏みをしなくなった。

それに反し、幼馴染の、筒井松太郎は以前よりも、一層繁く出入りをしたが、併し夫れには或る何等かの邪の目算が胸にあって、その目算を果そう為、接近いているのではあるまいかと、疑われるような節があった。とは云え夫れが何であるかは勿論誰にも解らなかった。併し兎に角松太郎があの議論以来純八に対して怨みを抱いているということは、疑いの無い事実である。

斯うして半年が過ぎ去った。果然その時案じていたような惨しい悲劇が湧き起こった。そうして夫れは松太郎に依って、計画されたものであった。で、作者はもう一度「深山桜」を引例して、その恐ろしい最後の悲劇を読者のお耳に入れようと思う。