轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

たかしまいし

高島異誌

国枝 史郎

「講談雑誌」1924(大正13)年7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 13,007 字 · 26 页

青空文庫

妖僧再び出現

「あっ」

と驚いた笹千代は、自分も長虫を嫌う所から、消魂く人を呼び乍ら、一間余りも飛び退ったが、どぶんという水音に驚いて、ギョッとばかりに振り返って見ると、吉丸の姿が見当らぬ。

池の岸まで走り返えり、じっと水面を隙かして見れば、どこよりも蒼い水の面に、一に小さい波紋があって、次第々々に大きくなり、やがて幽に消え失せたが、正しく波紋の真中には、いたいけな吉丸の死骸が沈んでいるに相違ない。

彼女の声に驚いて、純八を初め家婢下男共は、周章てて其場へ駈けつけて来たが、早速には何うする事も出来なかった。

これぞ最初の不幸なのである。

妖僧再び出現

併し最初の此不幸は、意外な物の救助に依って、不思議にも恢復す事が出来た。

それは、其夜の事であるが、嘆き疲れた純八が、思わず睡眠んだ其際に、一つの夢を見たのである。

夢の主人は蟇であった。蟇は大きさ人間ほどもあったが、前脚二本で溺れ死んだ筈の吉丸を、さも大事そうに抱いていたが、幾度も幾度も辞儀をして、偖夫れから斯う云った。

「私事は〈蟇の池〉に住む多くの蟇の主でございますが、貴郎様には此年頃、大方ならぬ保護を受け、有難く存じて居りました所、今日計らずも若様が、水に溺れようとなされましたので、ご恩報じは此時と思い、お助け申しましてござります。