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おおおかえちぜん
大岡越前
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《大岡越前(おおおかえちぜん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 218,436 字 · 437 頁
そして探りを取り、その上でやった仕事なのである。
阿能、大亀、三平などは、夜に入ってから帰って来た。かれらも、とうに刑部の腹心だった。悪の上では段ちがいなので、悪の世界に籍をおくかぎり、どうにも頭が上がらないのだ。
刑部は、かれらに金の分け前を渡して、寝ながらにして大金を眺めた。そして、お袖をまたよんで、
「おまえもいいだけ取るがいい」
といったが、お袖は、手もふれなかった。
次の日。たんまり小費いを持って、どこかへ遊びに行った三人のうち、大亀だけ、午ごろ急に帰って来た。
「おい、気をつけな、お燕ちゃん。今朝も出がけに、寛永寺の横で、同心くせえ奴が目明しを連れて歩いていた。こいつア、いやな勘がするがと、道を更えて、鶯谷へもどって来ると、またあの辺でも、羽織裏に、十手の見えるやつが、うろついていやがる。それがどっちも、南の手下だ。世間じゃ北を恐がるが、どうも俺には、南風がいやだ」
お燕は、黙っていたが、南と聞くと、お袖はすぐ反抗を眼に燃やして、
「何さ、意気地のない」と、叱った。
「大亀もこの頃は、すっかりぼけ亀になっちまったね。大岡越前は、おまえの従弟じゃないか。