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おおおかえちぜん
大岡越前
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《大岡越前(おおおかえちぜん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 218,436 字 · 437 頁
「だが。なお目明しなどが、この家の出入りを、見張っているような事もないとはいえぬから、油断はできぬぞ」
「注意は充分にいたしておる。――南はともかく、北町奉行の方でも、だいぶ動いている様子もおざれば」
「それよ」と、藪八は、膝を打って「――われらの手で、一日も早く、遮二無二、事件の落着を急がねばならぬ理由は、その北町奉行の策動こそおそろしいのじゃ」
「ところで、お燕の身は、あなたのお力添えで、ひとまず世間の外へ、葬いましたが。……なお、あれの母親、お袖という女の始末を急がねばなりますまい」
「それには、この藪八が、一案をもっておる。――楽翁どの、きょうは一つ、彼女を借りて、ちと外出したいが」
「どちらまで?」
「それ、いつぞやのお話の、寛永寺の別院へ」
「あ、なるほど」
と、楽翁はすぐうなずいた。その事についても、二人は、もうある打合せをすましているらしかった。
いや、お袖、お燕の始末に限らず、楽翁と藪八のあいだには、今度の越前守をめぐる問題のすべてに亙って、ある関与をもっていた。
その関与が、実は、将軍吉宗の意に出て、隠し目付藪田助八へ、
(こうせい。かくいたせ)