輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
おおおかえちぜん
大岡越前
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《大岡越前(おおおかえちぜん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 218,436 字 · 437 頁
有情の鬼
――江戸ばし。
橋の欄干にある文字に、お袖は、何かぎょっとした。その文字の読めるほど、近くの番屋の腰障子から、明りが流れていたのである。
自身番があると知れば、自分から近づくわけもなかったが、何か、もの思いしながら、うかと、橋の前まで来ていたのだった。――当然、かの女は本能的に、びくッと、身を翻しかけたが、またふと、危険も忘れて、立ちどまった。
ここにも、高札が立っていたのだ。
わけて、南町奉行とある墨のあとは、かの女の眸を、ひきよせた。
有情の鬼
「おい。……何か、遠くで、へんな水音がしたぜ。じゃぼーんと」
自身番小屋に寝ていた庄七は、寝床の中から、由蔵にいった。
「耳のせいだろう。俺には、聞えなかったが」
「そうかな。うとうとしていたところだったから、そういわれれば、夢だったかもしれねえ」
「庄七。気を休めろよ。気を暢んびりしていねえと、いつまで体は癒らねえぜ」
「有難う。だが、すこし熱が発ると、すぐ、夢に見て仕方がねえ」
「この春の……黒装束の女の親子か」
「ウム。堀留の山善に、押込み強盗がはいった晩よ。……思い出してもぞっとするが、思えば、おめえも俺も、よくもまあ、命拾いをしたもんだ」