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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠13(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 349,705 字 · 678 頁

青空文庫

そのくせ、巌のように節くれ立った手が、氷のように冷たかったのを覚えている、あの人たちに相違ない。

その名は仏頂寺弥助と、もう一人は丸山勇仙。肩で風を切って堤を歩いて行くが、こちらから見ると、足許がフラフラして、まるで足が無くって歩いているようです。

四十五

お雪ちゃんは、やっと船の中へ転がり込んで、もう起き上ることができません。

頭が火のようで、眼が車のように廻るのです。それをじっと抑えて、何も言わずに、ただ伏しまろんでしまいました。

現在、そこにいる竜之助に向って、思うさまこの怖ろしい見聞を、ブチまけてみようと意気込んだのも、ここで、その勇気すらなくなってしまいました。

見るべからざるものを、二度まで見たのです。平湯峠の上で、戸板の覆いが外れた時に見たのは確かに、あのおばさんなら、たった今、ここで見た棺の中の死人も、別の人であろうはずがない。

あの時、叫ぼうとしたのを、じっとこらえて誰にも言わなかったくらいだから、ここでも胸を抑えてしまった方がいい。わたし一人が納めていさえすれば、このイヤな思いを、人にうつすことだけは免れる。

本当に、魂魄があって、わたしたちについて廻っているとしか思われない、あのイヤなおばさん……