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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠13(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 349,705 字 · 678 頁

青空文庫

兵馬は静かに黒崎を起しました。そうして、いま、曲者が入ったことを告げ、但し単身潜入したもので、大体に於て、深いたくらみのある奴ではないから、騒がないがよろしい、強いて陣屋の上下を動揺させるほどのこともあるまいから、君は起きて、屋敷の内部を警戒し給え、拙者は一廻り邸外を廻って見て来る、二人だけで検分してしまおう、騒がないがよいと言いました。

黒崎はそれを心得て、身仕度をしました。

兵馬は、それから小提灯をふところに入れ、戸締りをしておいて、さいぜんの曲者が乗越えた塀に近い潜り戸から、邸の外へ出てみる気になりました。

かなりに広い、代官邸の塀の外を一廻りするだけでも、かなりの時間を要するが、内部のことは黒崎に任せて置けば心配なし、実は自分もこの機会に少し、外へ出てみたくなったのだ。

高山へ来てからまだ、夜歩きということを兵馬はしていないのです。夜歩きが好きというわけではないが、深夜、街頭を歩くことには、京都以来、いろいろの興味を持っている。何かと得るところも甚だ多いのです――第一、夜は静かで紛雑の気分を一掃する。それに思わぬ事件や、思わぬ人物に出会して、何かの意味でそれをあしらうことが、なかなか修行になるものだと心得ている。