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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠13(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 349,705 字 · 678 頁
「でも、治めて行く人が悪い人では仕方がありません、悪い人でなくとも、気心の知れない人では、いくらすすめられたからといって、大海へ出る船なんぞへ乗れたものじゃありませんが、駒井の殿様のお船でしょう、それも、駒井の殿様が御自身で御工夫なすって出来上ったお船を、あの殿様が好きな人だけを乗せて、御自分が宰領して御出帆になろうというのですから、こんな大丈夫のことはありませんね」
「うむ、それもそうだな」
「それにまた、この小さいお子たちだって、駒井の殿様のようなお方のお傍で、教育されて行けば、出世のためにも、どのくらい幸福だかわかりません」
「それも、そうだろうなあ」
「善は急げと言いますから、そう決心したら早くしましょうよ、なるべく早く仕度をして、お暇乞いをすべきところは早く済ませ、一日も早く房州へ行こうではありませんか。明日から、その仕度にとりかかりましょうね、与八さん」
「うむ――」
与八は、じっと黙って、暫くの間、考え込んでいたようでしたが、
「うむ、それは結構な運が向いて来たのかも知れねえが、おいらは……わしには、少し考げえたことがあるからね」
与八にこう言われて、お松が狼狽しました。