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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠13(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 349,705 字 · 678 頁

青空文庫

それは、なんの原因だか分らないが、ホンの足を踏んだとか、踏まれたとか、手がさわったとか、さわらなかったとかいういきはりなんでしょう。やがて、すさまじい仲間同士の物争いになったのです。

そこで取組み合いがはじまる、仲裁が出る、というおきまりで、こちらへ対するの示威はフッ飛んでしまい、仲間喧嘩に花が咲いて、その騒々しさ言うべくもない。

こちらの番所で見ている者は、ここに至ると笑止千万に堪えられないでしょう。

無論、駒井甚三郎も研究室のカーテンを掲げて、最初からこの形勢を見ていましたが、今し、仲間喧嘩が酣わになったのを見て、カーテンを下ろしてしまい、またキャンドルを消してしまいました。

九

しばらくすると、扉をハタハタと叩くものがありますから、駒井が、

「お入りなさい」

と言いました。

「御免下さいまし」

と、いんぎんに現われたのは七兵衛です。

七兵衛は、主人のほかに客用のものがある椅子へは、すすめても腰を下ろさないで、敷物の上へかしこまるのを例とします。ただ、手に一本の矢を持っていることが、いつもと違います。

「おお、七兵衛殿」

「只今は、随分お驚きになりましたでございましょう」