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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠13(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 349,705 字 · 678 頁

青空文庫

「ずいぶん、苦労もしましたけれど、なかなか痩せませんね」

「ちっと、親肉を切って売り出したらどうだ。いい肉だなあ、豚一の殿様へ持って行けば、物言わず一斤二十匁でお買上げになるぜ」

神尾は、力持のおせいの肉体を、着物の外れからつくづくとながめているうちに、その眼の中に、皮肉と険悪の色が、そろそろと溢れ出して来ました。

通常の人は、物を見るのに二つの眼を以てするけれども、神尾主膳は三つの眼を以てするのです。ことに、弁信法師から、真中の特別な一つの眼を授けられて以来というものは、父と母とから与えられている二つの眼が、むしろそれを見まいとして避ける場合にも、その一つだけが、パッカリとあいて、最後まで、それを凝視していなければやまないようです。

日本橋で、僧侶の生曝しを徹底的に見まもっていたのがこの眼でした。そして、僧侶という人間界の特別階級の為せる汚辱と、冒涜が、白昼、俗人環視の真中で曝されていることを見て、その眼が、痛快な表情を以てクルクルと躍り出したかのように、かわるがわるその曝し物を貪り見て、飽くことを知りませんでした。

これは、単にこの事にのみ限った例ではありません。