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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠13(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 349,705 字 · 678 頁

青空文庫

といって、主膳は、今は禁止になっているが、その頃、目のあたり見た、見世物の一つとしての女角力と、座頭との取組みの光景を、話して聞かせようとする。

日本の女としては、恥かしがる裸体を見世物として提供し、それに男性の不具者としての座頭を、なぐさみものとして取組ませ、つまり、この社会の弱者二つを土俵の上にのぼせて、大格闘をさせ、それを見せて金を儲けようとするものと、それを見て、やんやと喝采する社会的残忍性を思い浮べて、主膳のパックリとあいた額の真中の眼が爛々と輝きはじめました。

「それは面白かったでしょうね」

「うむ」

主膳は、またその浅ましい見世物を、ひとごととして面白く聞こうとする、この大女の馬鹿さ加減を痛快なりとしました。

「ところで、女角力というやつには、あんまりいい女はなかったね、お前ほどの縹緻のやつもなかったよ。そのはずさ、いい女は角力を取らなくても食って行く道がある、どれもこれも、御面相はお話にならなかったが、おれの見たうちに、たった一人、美人と言っていいのがあった。何しろ、おたふくでも、大道臼でも、竹の台の陳列場のように、裸体でありさえすれば人が寄って来る女角力の中へ、美人と名のつけられる代物が一つ舞い下りて来たのだから、助平共が騒があな。