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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠13(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 349,705 字 · 678 頁
二十一
二十一
与八と郁太郎を除いた武州沢井の机の家の留守の同勢は、あれから七兵衛の案内で、無事に洲崎の駒井の根拠へ落着くことができました。
その道程は、江戸までは普通の道、江戸橋から曾てお角さんも行き、田山白雲も行った通りの船路をとったもので、天候も無事であった上に、同勢の健康にも変りはありませんでした。
駒井もこの一行の来てくれたことを、無上の悦びとも、満足とも、思い設けぬ自分の一粒種の登というものを見ると、今まで曾て経験しなかった、現在、血をわけた親身というものの情愛を思い知ると共に、この子の母としてのお君という薄命な女のために、新たなる創痍を胸の中に呼び醒まされて涙を呑みました。
お松という子の珍しい殊勝な性格が、駒井を感服せしめたのも、久しい後のことではありません。
こうなってみると、一日も早くこの一行を収容して、別な天地に向って乗出してみたくもあるし、また周囲の事情がそれを急がせもする――というのは、例の誤解やら、圧迫やらが、一旦は退いたりとも、その後、いよいよ醸を深くしていることは確かで、その辺の空気が緩和するには、ともかくも一刻も早くこの所を撤退するをもって最も賢明とすることは、何人よりも駒井がよく心得ている。