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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠13(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 349,705 字 · 678 頁

青空文庫

幸い、七兵衛は自分の身になんらの異常を覚えなかったから、その爆発した火を飛び越えて廊下へ出てしまいました。

この出来事を、興半ばなる一座の者を驚かせずして、駒井だけに注進するわけにはゆきませんでした。仰天する一座を一室にかたまらせて置いて、七兵衛は駒井を案内して、以前の爆発の場所へ連れて来ました。

そのあたりは、一面に煙硝の臭気はするが、火は消えてしまっている。外部からもなんら闖入の気色はない。提灯を点して用意深く検分した結果は、七兵衛を驚かした火の玉なるものは、大砲を打ち込んだわけでもなければ、爆弾を投げたのでもなく、この辺でよくやる花火の筒をこちらへ向けて打ちこんだのだから、どう間違っても、ボヤか、火傷以上の害を加えるものでないということを駒井は見届けたけれども、その時、石垣の下から、塀、逆茂木から海辺へかけての生田の森が、ワッと喚声でわき上ったことです。同時に、一帯がうすら明るくなると共に、二発、三発と続いて轟然たる爆発の音が起りました。

ズドーン

ズドーン

といっても、本来はコケおどしで、海岸で急に花火を揚げ出したまでのことですが、その花火も示威脅迫の音を含んでいることは勿論で、今の二三発は確かに上へ向けて放ったが、やがてその次は、また最初のようにこちらへ向けて飛び込ませないとは限らない。