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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠13(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 349,705 字 · 678 頁

青空文庫

ぜひなくその前へ引き込まれて、御両方の前へ引据えられたという次第です。

引据えられると共に、下し置かれた盃を恭しくいただかねばなりません。

「ほんとうにこの政どんは、人間がおとなしくって、商売に勉強で、親切気があるといって、お得意先で持てること、持てること……町の芸妓たちなんぞは、政どんからでないと、本を借りないことにしてあるそうでございますよ」

とお部屋様がはしゃぐ。新お代官は頷いて、

「そうかそうか、色男というやつは得なもんだ、拙者もあやかりたいものだ」

「御前、この政どんは、一まきがみんな色男に出来てましてね」

「うむ、そうか」

「これの兄さんなんぞは、またどうして……」

お蘭が、はしゃぎついでに、何か素破抜きをやり出しそうなので、周章てて盃を下に置いた若い番頭は、

「ああ、どうぞもう御免くださいまし、それをおっしゃられますと、消えてしまいとうございます」

「何のお前……」

とお蘭さんは、多少の御酒かげんでけっきょく面白がって、

「何のお前、恥かしいことがあるものかね、お前の兄さんなんぞは、高山第一の穀屋のお内儀さんに惚れられて……」

「どうぞどうぞ、御勘弁くださいまし」