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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠13(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 349,705 字 · 678 頁
という心持にして、それが、やがてまた待遇の上にまで現われて来るのも当然でした。
白雲は、この蛇足から眼がはなれないでいる間に、主人の注文も定まったと見えます。
やがて離れの別室にうつされて、主人の注文に応じて画を作ることになった白雲の微吟の音が、外へ聞えます。
吹く風ならぬ白雪に
勿来の関は埋もれて……
十八
しかし、ここでは、たとえ主人の好意があろうとも、注文の絵の性質があろうとも、永く滞留して、筆を練るということを許さない事情がありますから、白雲は二日間を限りて二つの画を作って、明日は晴雨にかかわらず、ここを立つという時に、主人が送別を兼ねて、小宴を開いて白雲をねぎらいました。
二日間の作、一つは主人の注文によっての「鍾馗」と、自分の作意によっての「勿来関」であります。
その二つを、床の間に置いて、送別の小宴を開いているところへ、外から、
「半十郎」
と主人の名を呼ぶ声がします。
「ああ、児島先生がおいでになりました」
主人が座を立って迎えようとする時、早や、声の主は襖を押開いて、無遠慮に、ここへ通りました。それを白雲が見ると、小柄な、色白の、まだ年の若い一人の武士であります。