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やそうざっき・やちょうざっき

野草雑記・野鳥雑記

柳田 国男

線上閱讀柳田 国男《野草雑記・野鳥雑記(やそうざっき・やちょうざっき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 144,016 字 · 284 頁

青空文庫

これは多分取止めのない昂奮であって、会話というよりはむしろ運動の方に近いものと思われる。それと早暁のぽつぽつと眼を覚ます際の言葉とは、同じ鳥の朝夕とは思われぬほどの相違があり、こちらは「ここにいる」、もしくは「皆はどうした」とかいう風にも聞き取られ、僅かな数で木にとまっている時には、昼間でもこれとよく似た言葉を使うことがある。

囀ずるということは今日の鳥屋の意味では、雀には全くないようにも思われるが、これは本来は雀などから始まった語らしいから、現在の用法が変っているのである。人間でいうならばよそ心、鳥としては最も自然な無為の生活をしている際の、これぞという定まった目途もなしに、いつまでも同じ調子の言葉をくり返すということは、いかに気ぜわしない雀とても、丸々その楽しみを奪われてはいない。子供らが聴いて共鳴をするのもこの声に限られているのは、隠れた意味のあることかと思う。雀は何と鳴くと彼等に尋ねて見ると、チュンと鳴くというのが即ち囀ずりであった。これを平板にまたは尻揚りに、あるいは一つ置きにアクセントを取替えて、許されるなら晩までも、際限もなく唱えておろうとするのを見ると、この語には詩歌俳諧と同じく、差当っての目途はなく、聴いている仲間もこれを用向きだとは認めていなかったのである。