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やそうざっき・やちょうざっき
野草雑記・野鳥雑記
柳田 国男
線上閱讀柳田 国男《野草雑記・野鳥雑記(やそうざっき・やちょうざっき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 144,016 字 · 284 頁
村の鳥
お城や山内の樅・檜は、亭々として千年の緑を湛えているけれども、かつてこの間に静かなる居を構えて、首府の掃除役を一手に引受けていた彼等は、知らぬ間にいずれへか追い払われ、彼等の活動を必要とした事情ばかり、かえって以前よりも更に痛切を加えたのである。進歩と名づけられる人類生存方法の変更には、しばしばかくの如き省察の不十分、また同情の欠乏を伴うていた。これを十分に考えて見ぬ以上は、今のいわゆる生活改良も要するに手前勝手である。
村の鳥
巣箱を始めて見たのは、大正六年に、青島へ遊びに行った時であった。あそこの公園は東海に面して、鳥の沢山来そうな静かな小山であった。それへ独逸が色々の山の樹を、日本から取寄せて植えている。巣箱はなくとも巣をかけるにちがいないと思うような処だった。しかも巣箱をこういう場所に設けて置けば、なお一段と確かであろうと思ったが、今考えるとそれは誤りであったようだ。巣箱を引掛けて置いて、それを忘れてしまうということが、実は容易なことでないからである。
鳥にはこうして人間が始終気を付けているということが、かなり有難くないことらしい。だから木の香や刃物の香が新らしいうちは、人の家だと思うから、覗いて見ようともしない。