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やそうざっき・やちょうざっき
野草雑記・野鳥雑記
柳田 国男
線上閱讀柳田 国男《野草雑記・野鳥雑記(やそうざっき・やちょうざっき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 144,016 字 · 284 頁
それをなんらかの大切な交通語の、間に取りまぜて使おうとする故に、外の者にはいよいよ解しにくく、また非常に騒々しいおしゃべりとも評せられることは、ちょうど我々が駄洒落を興じているところを、西洋人などが立聴きしたようなものであろう。南の島々では雀をユムンドリという者が多い。ユムンは「よむ」であって暗誦のことである。何だか物々しい意味がありそうで、それが判らぬためになおのこと、よくも覚えたものだという感じを人に与える。雀の語によって霊界の神秘を知ったという昔話が、空想せられた動機もここにあるかと思う。沖縄の炭焼長者の女房などは、雀に山原の炭焼き谷に行けと教えられて、長者の始祖になったといわれている。ここではクルクルというのが雀の囀ずりの声であった。我々がチュンチュンと聴き、スズメと写していた音を、島ではクルクルと聴き、従ってまたこの鳥をクラと呼んでいるのであった。
我々の片仮名で描き出そうとするから失敗するのだが、もともと雀の子音はいたって数少なく、ことによったら一つの音素が、出しようによってちがって聴えるのかとも思う。それを色々と組合せて、少なくとも三十種に近い場合と心持とを表示し、更に自分の楽しみの鼻歌までこしらえているのは、全く雀の国独得の文化であって、他の多くの鳥たちの企てられぬことであった。