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やそうざっき・やちょうざっき
野草雑記・野鳥雑記
柳田 国男
線上閱讀柳田 国男《野草雑記・野鳥雑記(やそうざっき・やちょうざっき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 144,016 字 · 284 頁
いわゆる方言区域は本篇のような調査を重ねて行くうちには、結局は何人も争い得ざるものが劃定せられることと思うが、それは要するに昭和三年以後の方言区域であって、百年五百年前の異なる文化の下に、同じ分野が現れていたという証拠は、また別に求めなければならぬのである。人は往々にして大体といい僅かなる例外といわんと欲するが、いかに小さな例外でも原因はあるべきで、その原因は即ち過去の異なったる交錯にあり、むしろある時代の方言区域の、今とは大に異なっていたことを示すものかも知れぬのである。
そうすると時代時代の輪ちがいになった方言区域を、骨折って跡付けることも張合いのない話のようであるが、四隣の異同を詳しく究めた上でないと、地方的変化の法則を知ることが出来ず、地方と時とがどれだけの影響を与えるかを測量しないでは、言語の成長を説く方法がないのである。その上に各時代を貫通した傾向の如きものは必ず分って来る。例えば距離が変化を顕著にすることなどは、仮にまだ理論の満足にこれを説明し得るものがなくとも、次第に実験を積めばもう疑の余地がなくなるはずである。ただこれに関聯して自分の考えて見たいと思っているのは、言語には発生の大小の中心地があって、右の距離は是非ともその中心から測るべきものではないかということである。