輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

なるとひちょう

鳴門秘帖(一)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《鳴門秘帖(一)(なるとひちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 262,100 字 · 523 頁

青空文庫

ニヤリと皮肉な笑い方をして、

「とうとう塀をのり越えてまいられたな。なかなかお忍びがお上手なもので、周馬感服しましたわい。それはいいが、鏡の裏へ呑まれたお綱、ありゃそこもとの妻だと仰せられたが、嘘でござろう、分っている。はははは、お互いにな、強情な女には手を焼くものでござるて」

何もかも呑みこんでいるような口ぶり、若いくせに、年よりじみた言葉づかいで、さっさと、書院の戸を開けて、スッと中へ入りながら、

「お綱は質にとりましたぞ、この周馬がな。ところで、あとのご相談、どういうご希望があらっしゃるか、ここで聞こうじゃござらぬか」

カチッ、カチッ……と燧石をすりながら、書院の中でいっている。やがて、ぼうと灯がついて、あたりへ燻んだ灯影が流れてきた。

「お入りなされ、お十夜殿」

いよいよいけない。足許を見透している。

孫兵衛も、こいつは少し苦手なやつだと思った。咎め立てをするとか、いきり立って斬りかかるとかいう奴は、かれにとって、まだ扱いいいが、いやにねッとりした旅川周馬、白いのか黒いのか、腹の底が知れないので、しばらく閾をふみかねていた。

「ご遠慮はない、ここは周馬の居間でござる。