輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

なるとひちょう

鳴門秘帖(一)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《鳴門秘帖(一)(なるとひちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 262,100 字 · 523 頁

青空文庫

一番船

一方は、長蛇となって万吉を追いかけ、残った人数は一八郎へ折り重なって縄をかけた。

銀五郎はどうしたろう?

時雨堂の灯が消えたため、多市の様子も分らない。

万吉は、垣を破って逃げだした。と――その時だ、すさまじい大音響が時雨堂の庭先にあたってしたのは。

鼓膜をつきぬかれて、あッ、と思った一同の眼先へ、一条の朱電! ピカッと見えた火の柱。

落雷だ。今しがた、一角が立っていたあたりの大欅が異臭を放った。刹那、すべての姿が一度に大地へうッ伏してしまった。人の暴を超えた自然の暴力。

虚空には、幹を白くみせて大欅がダラリと裂け、寂寞としてしまった大地を嘲るように、遠雷鳴はゴロゴロとうすれゆく。

一番船

今しがた二、三ヵ所へ落雷があってから、嵐の空はけろりと霽れて、研ぎ出された半月のかげが、蒼黒い湖水の狂浪をすごいばかりに照らしていた。

打出ヶ浜の松原にも、あなたこなたに、根こそぎにされた痛ましい松の木が見える。

幾軒かの掘立小屋が、その辺に散在していた。打出瓦を焼く瓦師の小屋である。

人は住んでいないとみえて、松と松との間に、その小屋は見えても灯影はなかったが、やがてどこかで、