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どようふじん

土曜夫人

織田 作之助

線上閱讀織田 作之助《土曜夫人(どようふじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 106,903 字 · 213 頁

青空文庫

「留守のようです」

「昨夜、あなたン所で盗難があったでしょう……?」

「はてね」

「木崎さんの写真機が盗まれたはずですがね」

「へえーん。そんなはずはありませんがね。何にもきいておりませんがね」

からかうという積りではなかった。ただ不良青年特有の本能で、犯罪というものを無意識にかばいたい気持が、京吉を電話口に立たせていたのであろう。

「チマ子という娘知りませんか。木崎さんとどんな関係があるんですか」

「チマ子……?」

と、驚いてききかえしたが、さりげなく、

「――さア一向に……。ところで、何かあったんですか。チマ子……という娘……」

「いや、べつに……。御面倒でした」

「あ、もしもし……」

しかし、電話は切れていた。京吉は受話器を掛けて、おシンにきいた。

「昨夜何かあったの……?」

「木崎さんのライカがなくなったのよう」

「誰が……?」

「盗んだのか、木崎さん何とも言わないわ。警察へ届けないのよ」

「へえーん。チマ子が盗んだのか」

「チマ子、チマ子って、一体誰なの……? あんた知ってるの……?」

「いや、べつに……。おれ知るもンか」

京吉は狼狽気味であった。

七

ちょうどその時、表で待ちくたびれていた靴磨きの娘が、