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おおおかえちぜん

大岡越前

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《大岡越前(おおおかえちぜん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 218,436 字 · 437 頁

青空文庫

「おっ、阿能っ」

「亀か。だめだぞ、こっちも」

「えっ、潜り戸は」

「外にも、いっぱいな捕手の群れと、御用提灯だ」

「じゃあ、裏門か、隣へ、塀越しに」

「そこも、捕手だ。大亀、無念ながら、年貢の納め時が来たようだ」

「なんの、おれは、死ぬのはいやだ。――おお、あの御用提灯は、南町奉行所のものじゃあねえか。南のなら、おれは助かる。おれは、大岡市十郎の――いや大岡越前守の従兄にあたる者だ。そうだ、おれは越前守の従兄、亀次郎だぞ。召捕ってみろ、町奉行越前の旧悪も、白洲でしゃべりたててやるから」

かれは、うわ言のように、罵り罵り逃げまわっていたが、

「その亀次郎、御用」

と、隣家へ塀越しに逃げようとしたところを、小林勘蔵の手で、組み捕られた。

かれは、まだ吠えた。

「越前守に会わせろっ。――越前守に、いい分があるんだぞ。さ、曳くならどこへでも曳いてゆけ」

一方、赤螺三平も、裏の井戸端で、包囲され、ついに、縄にかかった。

阿能は見つからない。

「納屋か。床下か。……おお屋根を見ろ」

捕手たちが、あなた此方、視索を乱しあっていたとき、屋内の一室から、赤い火光がぱっと映した。

「巨魁だ」