輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

おおおかえちぜん

大岡越前

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《大岡越前(おおおかえちぜん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 218,436 字 · 437 頁

青空文庫

勿論、そんな秘事は、お袖は今聞くのが初めてだった。越前守は、かの女の眸のうつろを見つめていった。

「袖。そちが申し立てた最前からの怨みつらみは、すべてこの白洲の吟味上には、何の関りもない、私事じゃ。が、おそらくそちの叫んだ一念は、そちのいう相手の大岡市十郎とやらの胸にも、一個の人間として、ずんと胸の底の底までこたえたことであろうよ。……さあれ、ここには市十郎はおらぬ、同席の同役、また陪席のお目付たちと、奉行越前守がおるだけじゃ。そちの怨みに答える市十郎は、やがて公の職を解かれ、一個の私に返った時、きッと、そちの前に詫びに参るにちがいない。そちが十余年の怨恨は、なおその時に存分にはらしたがいい。……いや、かく申すなども、白洲にはあるまじき余事。もう取糺すべき事もない。吟味は相済んだ。立て 立て」

余す元兇

その日の午過ぎには、続いて、大岡亀次郎の白洲が開かれた。

大亀は、ぺたんと、白洲に曳きすえられると、越前守の姿も見上げず、終始、うな垂れたままだった。

「面目ねえ。もう、どうにでもしてくれ……」

と、彼の姿が、すでにそういっているふうだった。

しかしこの大亀も、初めは、猛烈な反抗をもって、越前守の悪罵を昼夜牢内でわめき狂っていたのである。