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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠13(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 349,705 字 · 678 頁
「そんなら、その着物はお雪ちゃんへの授かり物だから、遠慮なく身につけているのが、かえって回向というものかも知れないぜ」
「それでも、わたしは、これを身につけている気にはなれません、見ると、あの時のことが思い出されて、おばさんがかわいそうでなりませんもの」
「したいざんまいをして死んだのだから、かわいそうなこともあるまい」
「なんにしてもいい、わたしはこの着物を焼いてしまって、おばさんの思いが残らないように――お経をあげてあげましょう」
四十二
お雪ちゃんは、その着物を抱えて外へ出ましたが、土手下の枯芒の、こんもりした中へ、その着物を置くと、自分はひとりふらふらと川原の方へ出てしまって、川原の中を屈んだり、伸びたりして、さまよいながら、胸にだんだん嵩の増してゆくのは、燃料となるべき薪を集めて歩いているのに違いありません。
薪を集めつつ、河原を進みゆくうちに、採集の興味が知らず知らずお雪ちゃんを導いて、中洲を越えたり、水たまりを飛んだりして、川原の中へと深入りをしてしまいました。
深入りをしてしまったといったところが、本来、川幅の知れた宮川の川原のことですから、深山大沢に迷いいったのとは違い、深く進んだと思うのが、実は行きつ戻りつしていることに過ぎない。