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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠13(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 349,705 字 · 678 頁

青空文庫

ありました。

それで、はあはあと嵐のような息をついて、屋形船の一方の柱にとりついて、お雪ちゃんがためらっていると、それとは知らぬ、土手の往来に面した一方の片側で、久助さんと、堤上を通る旅人との問答、

「存じません」

これは久助さんの返事。

「知らない、では古川を経て、越中の富山へ出る道はドレだ」

「ええ、それも存じませんでございます、何しろ……」

「それも知らないのか。三日町から八幡の方へ行くのはどうだ」

「お気の毒でございますが、何しろ、昨日今日……」

「やっぱり知らないと申すか。しからば、船津へ出る道、そのくらいは知っているだろう」

「それもその……」

「それも知らんのか。では、いったいこの宮川という川は、越中へ行くのか、加賀へ向うのか、結局、どこへ落ちるのだ」

「え、その辺も……」

「加賀の白山、白川道は知ってるだろう」

「それもその……」

土手で横柄にたずねるのは、この辺の百姓町人の類でないことはわかっているが、人もあろうに、久助さんに土地案内を聞くとは間違っている。まして焼け出されの、西も東ももうげんじている際の久助さんをつかまえて、あんな手厳しい尋ね方をする方が間違っている。