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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠13(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 349,705 字 · 678 頁
「北原さん、白骨を立つ時はしみじみ御挨拶も申し上げないで、ほんとに済まないことだと存じております。けれども、それにはそれだけの事情がありまして、病人やなんぞの好みもあるものですから、皆さんには御挨拶無しで出て参りました。さだめて皆さんは、雪は夜逃げをしたとか、駈落をしたとか思っていらっしゃるかも知れませんが、そういうわけではございません。あれから平湯へ出て、そうして高山へ着いたのですが、皆さんを出し抜いた罰かも知れません、ここへ来て火事に逢いました。火事に逢って何もかもすっかり焼いてしまいまして、ほんとうに着のみ着のままです。旅のことですから、ほかに相談する人は無し、こんな困ったことはありません」
お雪ちゃんは、ここまで筆を走らせてきたけれども、その次の文言につかえてしまいました。
なるほどここまでは、事実をすんなりと直叙したのだから、スラスラと書けましたが、これから、どう書いていいのか、自分たちの困っていることは事実だが、この困っているのを北原さんにどう処分しろというのか、それが書けないので、筆が渋っているうちに、縁の障子のところへ鶏が上って来たものですから、それを追い卸すためと、渋った頭を晴らすために、つと立って障子を押開いて見ました。