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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠13(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 349,705 字 · 678 頁
八十七
その目的物を見ようとする途中の道草としての、この女化け物に、神尾が、かりそめの興味を呼び起してみると、梯子酒のように、その残忍性が募って来るのは、この男の持前です。
パックリと口をあいた真中の眼が、力持のおせいというものが有するアブノーマルな肉体に向って、貪看を起しはじめたのが運の尽きでした。
「おい、お前、女角力というものを見たか」
「え、女角力でございますって」
「見たかじゃない、お前も、前生はその女角力で鳴らした仲間じゃないか」
「いいえ、角力はやりませんでしたが」
「角力はやらなかったが……その身体で何をやっていたえ」
「何でもいいじゃございませんか、そんなことをおっしゃらずに、もう一つ召しあがれ」
「おやおや、御意見役が今度は、お取持ちになったのだな」
主膳は、おせいがテレ隠しにすすめる酒を受けて飲み、
「女角力をやっていたのだろう。どこでやったい、神明かい、両国かい」
「女角力なんて、やりゃしませんよ」
「なあに、やらないことがあるものか、たしかにお前が、女角力の関で鳴らしているのを、両国で見たよ」
「え!」
「そうら見ろ、隠したって駄目だ、お前は両国で、後白浪といって、関相撲を取っていたあれだろう、しらぱっくれても、こっちには種があがってるぞよ」