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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠13(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 349,705 字 · 678 頁

青空文庫

こう思うと、三つの眼が、ハジけるほどに冴え返って、胸の炎が、むらむらと燃え返って来たようです。

といって、主膳には主膳だけの自重もなければならない。このまま取って返して、あの寝間へ踏みこんで、得心のゆくまで面をあらためてやる――にしても、万一、あいつでなかったらどうだ。

あいつであったとしても、あいつが果して、どういう寝相をしている。そんなことを思うと、胸がむかむかする。酔うている時の主膳なら知らぬこと、とにかく、こう頭がはっきりした時であっては、自分というものを、自分で考えてみれば、みすみすそれと分っても、このまま他の室へ乱入するということは、紳士(?)として許されないことだ、できないことだ。

「ちぇッ」

夜の明けるまで待つよりほかはない。夜が明けたら、あいつもそう朝寝もしておられまいから、なるべく早く身じまいをして、出かけるだろう。その時に透見をして、有無を言わさぬことだ。

「うむ、ここでは朝風呂をたてる、おれは寝過したふりをして、あいつが風呂場へ行く頃を見計らって、篤と実否をたしかめるに、何の仔細はない」

なんにしても早く夜が明けろ――主膳は蒲団の中で、途方もなく悶えている。