輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠13(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 349,705 字 · 678 頁

青空文庫

の傍らにホッと息をついたのは、この夜も闌わなるある時刻の後でありました。

この源氏香の間というのが、偶然にも――実は偶然でもなんでもなく、竜之助が引籠っていたその部屋で、お雪ちゃんもその次の座敷にいて、絶えず往来していたのです。そこが手つかず、あのままで人を泊めるにいいようになっていたから、少し遠いにも拘らず、皆の者が弁信にこの部屋をあてがったものです。

あてがわれた弁信は、一議に及ばずその好意を受けてしまったが、遠くて不自由だろうと思いやりながら、ここへ弁信を導いて来た人が、かえって、弁信の物怖じをしないのに舌を捲いたようなあんばいです。のみならず、普通の人よりもいっそう都合のよいことは、遠い廊下道や梯子段を、手燭も提灯もなくして平気で歩いて行けるから、座敷さえ教え込んでしまえば、抛り出して置いて手数のかからないこと無類です。

さきほど、たった一人で、長い廊下を伝って二重の段梯子を上り、間違いなく、この源氏香の間に辿り着いた弁信。

夜具の前にちょこんと落着いて、そうしてお祈りをしました。

それは、お祈りというべきものか、念仏というべきものか、或いは、かりそめに無念無想の境を作ろうとしているのか、とにもかくにも暫くの間、黙坐をしていた弁信は、やがて帯を解き、緇衣を解いて衣桁にかけ、それからさぐりさぐりに