輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠13(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 349,705 字 · 678 頁

青空文庫

それよりもなお憎いのは、この人が、さほどの羨望と嫉妬を浴せられながら、なお冷々然として、むしろ、そういった同性たちを冷笑しつくすかのように、澄まして取合わない高慢な態度でありました。

他より羨まれ、或いは嫉まれた時に、幾分なりとも、得意なり、慢心なりの色があるうちはまだしおらしい。羨まれ、嫉まれながら、それを冷倒するやからに至っては、全く度し難いものです。重ねて言えば、人間は縹緻を鼻にかけるうちは、まだ可愛らしいものだが、それを頭から抹殺してかかる奴に至っては、悪魔でも誘惑のしようがない。

お銀様の態度がそれです。おそらくお銀様といえども、人の羨望と嫉視の的になる地位と空気とを、自分が感づかないはずはないのですが、それを刎ね返して進む自分というものをも、自覚していないはずはありますまい。寝覚の里の渡頭の高燈籠の下まで来て、そこに立ってつくづくと海を眺めたお銀様の眼には怒りがありました。

寝覚の里は、すなわち七里の渡しの渡頭であります。七里の渡しというのは、この尾張の国の熱田から伊勢の桑名の浜まで着くところ、古えのいわゆる「間遠の渡し」であります。