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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠13(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 349,705 字 · 678 頁

青空文庫

こんな会話を交わしながら、古碑でも探る気持で、燈台の石垣を撫でまわしているのが、この際、お銀様の耳障りになりました。

桑名戻りの船が着いたとあってみれば、今も言う通り、乗込みを争うわけでもなく、到着を待ちわびる人でなくても、下船して来る旅人の上陸ぶりに好奇の目を向けて見るのが通常の人情であるのに、このやからは一向その方に頓着なしに、燈籠のある部分を撫でてみては頻りにその故事来歴なんぞを説明していることがキザだと、お銀様のカンにさわったのでしょう。その途端のこと、

「あ、お父さん!」

と小さい尼が叫びました。狂喜の声のうちにも高い叫びを慎んだもののようですが、その声でお銀様も改めて人混みの中を見渡したけれども、急にそれらしいものを認めることができませんでした。

何とならば、唯一の目標とするのは、その顔面の大きな創ではありといえ、それほどの創を持つ人が、自慢で見せて歩くとも思われない、よし自慢にすべき向う創であっても、そこは道中のこと、笠もあれば、頭巾もあろうというもの、どれをそれと小さな尼が呼んだのか、お銀様には分りませんでしたが、心走りに走り出した小さな尼が、