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だいぼさつとうげ
大菩薩峠13
中里 介山
線上閱讀中里 介山《大菩薩峠13(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 349,705 字 · 678 頁
一時の笑柄のみなりしかど、珍しきことなればしるす、寛政の前のことなり」
とある。これを仮りに寛政のはじめ(西暦一七八九年)と見れば、道庵現在の時より約八十年の昔のことで、西洋ではじめてグライダーを作った独逸人オットー・リリエンタールの発明が一八八九年とすれば、それは日本の明治二十二年に当るから、これより先、徳川十一代の将軍家斉の寛政のはじめ、一七八九年に、すでに日本の岡山にグライダーを作って成功した人があったという事実は、驚異すべきものに相違ない。日本の鎖国の泰平が、斯様に、無名の科学的天才も圧殺してしまった例は他にも少なくないと考えられる。
岡山の幸吉の事績によって、津田生は、金助や、弓張月や、夢想兵衛のロマンスと違った、科学的技術者が日本に厳存していたことを知ると共に、苦心惨憺して、すでに没収され、湮滅せられた幸吉のあとを探ったものと見えます。
幸いなことには、津田生は父祖伝来の家産を豊かに持っていたから、研究費には差支えることは免れたが、不幸なことには、この熱心な発明慾が周囲の誰にも諒解されないのみならず、それに冷笑と詬罵とが注がれたことは、古今東西の発明家が味わった運命と同じことでありました。