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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠13(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 349,705 字 · 678 頁

青空文庫

十九

ともなんとも存在を示さないし、なおさらそれが聞えているはずの神尾主膳が、早く追い立ても、追い出しもしてやらない。

子供たちは、呼び疲れ、探しあぐんで、やがて忘れたもののように静かになってしまったのは、そのへんで諦めて、こんどは河岸をかえて遊ぶべく、この屋敷をみんな出て行ってしまったものに相違ありません。

十九

それから後、この低能娘も、よく遊びに来ることはあっても、主膳の居間へ闖入するようなことはありませんでしたが、それでも仲間と遊んでいるところへ、主膳が通りかかると、ぽーッと面を赤くして妙に色っぽい目をして見せる、と、主膳はそれをひっさらうようにして自分の居間へ連れ込んでしまうこともあれば、いなくなったと思っていたその娘が、主膳の居間から、そっと廊下伝いに出て来たところを見たというようなわけで、子供たちが納まらなくなりました。

子供たちとはいうけれども、これは、育ちがいいといった者のみではないから、気を廻すことにかけては、へたな大人よりませたものがいくらもいる。

「おかしいなあ、殿様とよしんべえとおかしいよ」

という評判が立ってしまったのは是非もないことで、「まあ、いやなよっちゃん、殿様のおかみさんになるの?」