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だいぼさつとうげ

大菩薩峠13

中里 介山

線上閱讀中里 介山《大菩薩峠13(だいぼさつとうげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 349,705 字 · 678 頁

青空文庫

三十四

この早業においては、さすがの淫婦も如何ともすることができないで、

「何という無愛想なお方……」

所在なくこう言って、兵馬の起きぬけの夜具蒲団をテレ隠しにちょっとつくろい、自分も続いて廊下へ出てみましたけれども、その時はもはや、兵馬の影も形も見えません。

三十四

寝間を飛び出した宇津木兵馬は、そのまま庭を越えて、道場へ入って神前へ燈明をかかげ、道場備附けの袴をはいて、居合を三本抜きました。

ここで兵馬は、心気が頓に爽やかになり、今までの圧迫が払われて、わが心の邪道を断つには剣を揮うに越したことはないと、いまさらに喜びを感じていると――

一方の口、すなわち本邸から続いたところの入口が、スーッと外から押し開かれる。

執拗千万な推参者、ここまで淫魔めがあとを追うて来おったか! 兵馬は居合腰に構えたまま、心の中に充分の怒気を含んでおりますと、戸口をスーッとあけて中へ入るとまた、つとめて音のしないようにスーッと締めてしまって、こっちを振向いたのは、同じような寝まき姿であるけれども、物そのものは全く違っている。

すなわち予期していたものの侵入者は、先刻のあのむんむといきれるような肉の塊りであったにも拘らず、ここへ姿を現わしたのは、まだ妙齢の初々しい娘の子であったものですから、兵馬は、怒気も悪気も消えて、今晩はまあどうして