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がまのち
日本怪談大全 第一巻 女怪の館
田中 貢太郎
線上閱讀田中 貢太郎《日本怪談大全 第一巻 女怪の館(がまのち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 192,678 字 · 394 頁
女賊記
館林の城下では女賊の噂で持ち切っていた。それはどこからともなしに城下へ来た妖婦であった。色深い美しい顔をした女で、捕えようとすると傍にある壁のはめ板へぴったり引附いてそのまま姿を消すのであった。土地の人は何人云うとなしにそれを板女と云っていた。
「昨夜裏の方で犬が啼くから、出て往って見ると、ちらと人影が見えたが、板女かも判らない」
「某家の主人が、夜遅く帰っていると、某家の横で女と擦れ違ったと云うが、それがどうも板女らしい」
「一昨日の晩、某家の庭前に板女が立っていたので、そこの主人が刀を執って追っかけたが、そのまま見えなくなった、きっと傍のはめ板へ引附いていたろう」
「某町では、昨夜板女に、五十両盗まれた」
「某家では、板女が衣類を持って逃げようとするところを知って、妻女が長刀を持って切りかけると、壁厨の戸板へ引附いて消えてしまった」
「今朝、某寺の前を某が通っていると、板女らしいな女が来るから、手執りにしようとすると、寺の板壁へ引附いて、そのまま見えなくなった」
「昨日の午、板女らしい女が、旅人の風をして通って往った」
「板女は数多の手下を伴れているらしい」