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がまのち
日本怪談大全 第一巻 女怪の館
田中 貢太郎
線上閱讀田中 貢太郎《日本怪談大全 第一巻 女怪の館(がまのち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 192,678 字 · 394 頁
双子は進めなかった。
「私が仲裁するのですから、男らしくさっぱりなさいよ、それでもいけないと仰しゃるなら、私がお対手をいたします」
女の口元には威厳があった。それに腕節の強い男を向うにまわして、お対手をすると云うからには武術の心得があるか、それとも懐に何か忍ばしているか。双子も立ち縮んでしまった。女はくるりと体の向きをかえて広巳を見た。広巳はその顔が眩しかった。
「もういいから、お帰りなさい、だが、気をおちつけて、人と喧嘩をなさらないようにね、貴下はいい方だが、この比気がたってらっしゃる、それには事情もおありでしょうが、よく気をつけてね」
広巳は母親から何か云われているように思った。
「では、お帰りなさい、心配なすってらっしゃる方がおありでしょう」
広巳の頭は覚えずさがった。
「へい」
広巳はそうしてお辞儀をするなり、体をかえして正面の華表の方へ歩いた。そこにはあちこちに喧嘩と知って集まって来ている人の顔があった。広巳はきまりが悪いので急ぎ足になって外へ出た。そして、方角の見当もつけずに歩いているうちに、
(おや)
と云う気もちが浮んで来た。その気もちは、面長な色のくっきりと白い、黒い筋の細かい髪を洋髪にした女につながっていた。