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がまのち
日本怪談大全 第一巻 女怪の館
田中 貢太郎
線上閱讀田中 貢太郎《日本怪談大全 第一巻 女怪の館(がまのち)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 192,678 字 · 394 頁
※
丹前が口を入れた。
「詩を作るより、田を作れか」
角刈は揉あげに何か云いかえしをしなければ気がすまなかった。
「作る田がないから、東京へ来て強請をやってるだろう」
「お互さまだよ」
「お互さまじゃねえや、俺はもとからの破戸漢だ、おめえは学生から、おっこちて来たのだ、物が違わあ、いっしょにせられてたまるものかい」
丹前が笑いだした。
「あんまり自慢にならんさ、まあ、それよりおちついて飲みな」
※
三人は酒になった。三人は品川大井大森方面を縄張にしている匪徒で、丹前は岡本と云う三百代言あがり、揉あげは松山と云って赤新聞の記者あがり、角刈は半ちゃんで通っている博徒であった。三人はその時、貸借関係で紛糾している家を恐喝しているところであった。
何時の間にか一人の歌妓が加わっていて一座は四人になっていた。三人は他愛ない話をして笑いあっていた。
「半ちゃん、どうだい、この比は、佳い目が出るのかい」
揉あげの松山はいい気もちに酔っていた。角刈の半ちゃんは笑っていた。
「佳い目が出る、おい、松山、佳い目が出る、俺はそんなことは知らねえや、ぜんたいそりゃ何だい」
「知らねえ、佳い目ってことを知らない」